カスタネットのメーカーさん

公家千彰フラメンコスタジオchurros

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カスタネットのメーカーさん

カスタネット

2017/08/24 カスタネットのメーカーさん

カスタネットを作製しているメーカーさん、現在日本で多く見られるものは
カスタヌエラデルスール、フィリグラナ、さんが主だっているかと思います。
他にもタレガ、ガリアーノ、などありましたが現在は後継者不足で作られてないとのことです。
ガリアーノのお弟子さんが作ってるカスタネットは都内で購入したことがあります。
本家とは異なるものですが、しっかり受け継いで出していることに感動しました。
現在も多少出回っているようです。
本家のものは大御所の先生からいただき、大切に所持しております。
1960年代にオーダーメイドされたものだそうで、とても素晴らしい音色です。
柔らかく話しかけてくるかのような響きです。
男性ものなので長時間使い、手が腱鞘炎になりかけたので現在は時々触っているだけです( ; ; )
時間をかけて使い込んでいきたいとおもってます。

 

タレガのカスタネットは使ったことがありません。
カスタネットの素晴らしい名手、ルセロテナが使っているものだそうです。
ここのメーカーさんの情報はほとんど知らないのですが
バルセロナにお店があるとかあったとか。。
もしもお店があるのなら一度行ってみたいです。

 

廃盤になってしまったカスタネットメーカーさんのことは幻として置いておいて、現在購入出来るメーカーさんのことについて書きます。&私が知ってる範囲で。
先に述べたカスタヌエラデルスールとフィリグラナ。
この2つメーカーさんはセビリアに工房があり、親戚です。
お父さんが1950年代にカスタネットを革命的に進歩させたグランマエストロで、それぞれのメーカーで受け継いでいます。

 

カスタヌエラデルスールはさらに兄弟で少し違った種類のものを作っています。
弟のフアンさんの作る多様に進化したアーティスティックなカスタネット、兄のぺぺさんの作る伝統的を研ぎ澄ました確固たるカスタネット。
同じメーカーとして販売しています。
私はどちらも大好きですが、1番フィットするのはぺぺさんの研ぎ澄ましたカスタネットです。

種類としては合成樹脂の中が二重になっているもので、サイズは5号。
同じ種類でもなぜか色々あり、私のは薄くて軽いです。
厚くて重いのもあります。たまたまだとおもいます(^^;)ラッキーです。
お店で何度同じ種類のものを見ても今使っているようなものがありませんので、壊さないように気をつけてます。
ホアンさんのカスタネットは、色味や形も豊富で見ているだけでも楽しいです。
こちらは1つ購入しましたが、遊び心を感じる音色です。
見た目が真っ赤で丸くて楽しいのに音が低くて大きいのです。
ホアンさんは毎年どんどん新作を生み出しています。
様々な音色のものがあるのかとおもいます。
ぺぺさんのカスタネットは、以前は木製もありましたが現在は作ってないそうです。
壊れるから、と。
ちなみに私は合成樹脂のものを演奏中に2つ壊しました。
落としたわけではないです。
ちりめんジワのようなものが出来て、それが次第にひび割れて真ん中に穴があきました。ぺぺさんは「合成樹脂が壊れる確率は百万分の一だ」とビックリされましたが過去に2つ割れました。。。もう割りません。
現在は合成樹脂(フィブラ)、圧縮布(テラ)、人口象牙(ビドリオ)の素材です。

人口象牙はとても高い音色で少し特殊な雰囲気です。
華やかな曲に映えそうです。

合成樹脂、圧縮布は、とても多く作られています。
圧縮布は低くて篭った音がします。
湿気に弱いので日本では音がよく響かないとのこと。
私はこの音もとーーーっても好きですが、可能性に満ちた合成樹脂のほうを選んでいます。

合成樹脂はしっかりとした音が出ます。
音の高低はカスタネットによってどちらもあり、私は少し低いのが好きです。
ぺぺさんは高い音も低い音も調整して作ってます。
ものすごく研究されています。
高いと雑な音色になりがちなのですが、しっかりと作り込まれた高音のカスタネットは高貴で可愛らしいな、という音色です。

 

合成樹脂は低価格のものでも素敵な音のものがあります。音と音との繋がりが丸くなりずらいですが、素朴な安心するような音がします。

 

音の高低はカスタネット本体の大きさにも関係します。
小さいものは高音、大きいものは低音になる傾向です。
さらに、きいたところだと、大きいもののほうが響きが良いので、手の大きい人は特だということです。

大きさを選ぶにして、手の小さいかたでも、大きいカスタネットを使いこなせるのならそれはそれで良いそうです。
あまりにも大きいと指が痛くなりますので、サイズ、どちらかな、と、迷う程度でしたら大きいほうを選んだほうが良いかもですね。

手のひらに乗せて、中指がカスタネットのど真ん中を触れるくらいがいいのかな、とおもいます。

 

カスタネット工房の後継者不足によるメーカーの廃盤、職人さんの世代交代、と、これからも市場に出回るカスタネットには変化があるとおもいます。

古き良きものは希少価値がつきます。
現在普通に使用しているもの、特に丁寧に研磨された手作りのものは少し先の未来には、同じ雰囲気のものは出回らなくなります。
その代わりに、さらに進化して磨かれたカスタネットが誕生するのかとおもいます。

 

カスタネットのおおもとの原型は紀元前3000年からあるとされています。
それが枝分かれして、クロタロウやトゥンバなども生み、カスタネットもうまれたのです。

あまりにも大きすぎる話ですがそう考えると、果てしない未来がこの先にあります。
これからもまた素晴らしいカスタネットが沢山誕生していくのかな、と想像します。

 

カスタネットの職人さんたちの未来にも想いを馳せて、心を込めてカスタネットを稽古していきます。

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